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INTERVIEW STORY
小

小田幸輝

新潟大学 出身: 新潟県 希望: 東京都・新潟県・長野県

「半径5メートルの人」から広がるポジティブな連鎖。ゴールからの逆算と、1人に寄り添う人事への道標

2026/9/17
#人事への道#新潟へのUターン#自分の周り半径5メートル#自分だけでなく周りも幸せに#ゴールから逆算

プロフィール:

小田 幸輝(おだ・こうき) 新潟大学創生学部4年。新潟県新潟市出身。学生コミュニティ「次世代BASE」の外部広報や企業連携の窓口を担うほか、地元のベンチャー企業・株式会社ネオシームの組織基盤構築にも参画。大学生活では4年間、個別指導塾のサポーターとして生徒のスケジュール管理や進路伴走を継続してきた。卒業後は東京の人事系ITサービス企業へ営業職として入社予定。将来は新潟へUターンし、働く人のモチベーション向上から地域企業を支える人事のプロフェッショナルを目指している。

環境の変化への抵抗と、芽生えた「お兄ちゃん」としての責任感

幼少期は親の仕事の都合により、5歳までに3回も幼稚園を変わるなど、環境の変化が多い時期を過ごしました。当時は新しい環境に馴染むのがとにかく苦手で、お迎えのバスが来ると部屋に逃げ帰ったり、母が掴んでいる服を脱ぎ捨てて抵抗したりする日々でした。

変化が訪れたのは、2歳下の妹が同じ幼稚園に入園してきた時です。ある日、上級生からからかわれている妹の姿が目に入った瞬間、子どもながらに「お兄ちゃんとして、自分がしっかりしなきゃいけない」という責任感が芽生えました。それ以来、幼稚園への苦手意識を抱えながらも、真面目に登校を続ける動機が自分の中に形作られていきました。

小学校の6年間は、母親の影響で水泳を続けました。負けず嫌いな性格もあり、スクール内のランキングでは常に1位をキープし続けましたが、高学年になり周囲のレベルが上がると、思うように勝てないスランプが訪れます。「負けるのが悔しいから行きたくない」と車の中で親に駄々をこねる日々もありました。

しかし、いざスイミングスクールに着くと、不思議と心のスイッチが切り替わる感覚がありました。「せっかく来たのだから、誰よりも集中して取り組もう」と。ネガティブな状況でも、来てしまった以上は自分のために全力を尽くした方が良いという、気持ちの切り替え方を、この時に少しずつ掴んでいきました。

足すくみの扉を開けた「12月の途中入部」が教えてくれたこと

中学校では、漫画『ハイキュー!!』に憧れてバレーボールを始め、部長も経験しました。しかし、高校へ進学する際、進学校特有の環境に気後れし、「自分は不器用だから、勉強と部活の両立なんて絶対に無理だ」と思い込んでしまい、あえて部活には入らず勉強に専念する選択をしました。

ただ、本当にそれでよかったのか、どこかモヤモヤした気持ちも残っていました。そんな冬を迎えた12月のある日、何気なく体育館の近くを通りかかると、中からバレー部の掛け声とボールを叩く音が聞こえてきました。窓から練習風景を覗き込み、必死にボールを追いかける仲間の姿を見た瞬間、「かつてあんなに頑張っていた自分に、もう一度戻りたい」と胸が熱くなったのです。

今さら途中入部なんて、周りに迷惑がられたり、嫌な顔をされたりするかもしれない。不安で扉の前で足がすくみましたが、諦めきれずに入部を願い出ました。メンバーは、そんな心配をよそに温かく迎え入れてくれました。

その優しさのおかげで、萎縮せずにプレイヤーとしてコートに立ち、周りと先生を繋ぐ潤滑油としての役割を果たすことができました。周りの仲間が部活後に当たり前に机に向かう環境であったからこそ、自分自身も引っ張られるように文武両道を達成できました。自分だけの力ではなく、周りの環境と「人」に生かされていたのだと痛感した、大切な経験です。

 

ゴールからの逆算と、1人に寄り添う経験から学んだ自らのポリシー

高校3年の夏、新設される新潟大学創生学部の存在を知りました。高校生の段階で将来の進路を一つに絞り込めないと感じていたため、1年次に多様な教養を学び、2年次から専門を選択できる仕組みは非常に魅力的で、進学を決めました。

大学に入ってからは、塾での「サポーター」のアルバイトを始めました。勉強を教える仕事ではなく、生徒の進路相談に乗ったりスケジュールを一緒に立てたりと、その子の「隣に伴走する」仕事です。

きっかけは、自分が受験生だった時の経験にあります。模試で「受かる見込みがない」と言われた際、過去問を先に解いて傾向を分析し、足りない部分を逆算して重点的に潰していくスケジュールを自ら組み立てて合格しました。この「ゴールから逆算して計画を敷く」という強みを活かして、今度は不安を抱える受験生の隣にいたい。そんな思いで、これまで3回、卒業生を送り出してきました。

毎日自習室に来る子、すぐにサボってしまう子、抱えている悩みは全員違います。マニュアル通りの管理ではなく、その子の生活背景まで深く知った上で1人ひとりに本気で向き合う中で、あることに気づきました。

それは、自分が受け取った安心感は、自分のところで止まらないということです。1人に本気で向き合えば、その子は安心して前に進み、いつか誰かを支える側に回る。近くの1人を徹底的に幸せにすることが、結局いちばん確実に、良いものを遠くまで届ける方法なのだと。

この確信から生まれたのが、「自分の手の届く範囲(半径5メートル)にいる身近な人にまず寄り添い、そこから徐々に良い影響力を外側へと広げていく」というポリシーです。

そして、この「一人のポジティブな変化が周りへと伝播していく」という仕組みは、社会のあらゆる組織にも共通しているはずだと考えるようになりました。大学1年生の時に経験した2ヶ月間の企業インターンシップでも、現場で働く一人ひとりのモチベーションの熱量やエンゲージメントこそが、組織の推進力そのものを大きく左右している光景を目の当たりにしました。組織は働く「人」こそが社会の土台を作るのだと、身をもって実感したのです。

出会った人がその場所で健やかに生き、輝くことで、組織全体にポジティブな連鎖を生み出す仕組みを作りたい。一人の可能性を信じて伴走した塾での経験があるからこそ、将来は「人」の側面から組織をエンパワーする、人事のプロフェッショナルになりたいと思っています。

東京での実践、そして新潟の人事プロフェッショナルへ

現在は、学生コミュニティ「次世代BASE」の外部連携や広報、そしてアライアンス先であるネオシームの組織体制の構築に携わっていますが、メンバーそれぞれのやりたい想いを尊重しながら、一つの組織としてどう体制をまとめ上げていくべきか、今まさに正解のない壁にぶつかっています。いつも泥臭く悩んで、周りに相談して助けてもらいながら、なんとか一歩ずつ進んでいます。

卒業後は、東京の人事系ITサービス企業への就職が決まっています。最初は営業職として入社し、プロダクトを提供するだけでなく、様々な会社の人事の方々が抱えるリアルな課題や不安に深くコミットしながら、人事を極めていくための地力を死ぬ気でつけるつもりです。

そして将来は、必ず新潟に戻ります。会社にも、面接の時から「将来は必ず新潟に戻ります」と公言しています。東京で最先端のビジネスや仕組みを吸収して中長期的にUターンし、地元の企業に変革をもたらす。そうすることで、新潟をもっと人が自然と集まる魅力的な場所にしていきたいと考えています。

まずは残りの大学生活の足元として、今塾で受け持っている5名の生徒全員を第一志望校に合格させること。そして、自らもさらに視座を高めるために「100人の人事担当者とお会いして話を聴く」という実直な挑戦を重ねています。